九州大学 歯学研究院 歯学部門 口腔顎顔面病態学講座

Englishお問い合わせ

ご挨拶

ご挨拶

横山武志

平成21年4月より九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野教授を拝命致しました。帝国大学という歴史と伝統を持つ九州大学の歯科麻酔学分野を主催するという重責に身の引き締まる思いでおります。

歯科麻酔学が活躍する領域は、口腔外科手術の麻酔•全身管理、小児•障害者の歯科処置に対する麻酔•全身管理、頭頸部領域の疼痛制御、歯科診療中の危機的偶発症に対する救命処置です。 九州大学病院では、中央手術室において口腔腫瘍に対する切除手術や唇顎口蓋裂症例に対する形成手術を中心とした手術の麻酔管理を担当しています。口腔癌手術では再建も含めて20時間を越える麻酔管理を要することもあります。また、歯科麻酔科外来では、重度の奇形に対する心臓手術や生体肝移植を受ける幼児の歯科治療を全身麻酔下に行うことがあります。その他、さまざまな障害を持つ患者様の全身麻酔管理も重要になります。
私は「老いた患者さんは父母と思い、同年代の患者さんは兄弟と思い、若年の患者さんは我が子と思って医療行為を行う」ということを信条として臨床に従事してきました。しかし、リスクの高い患者様に麻酔•全身管理を安全に施行するためには、臨床への姿勢だけではなく、高度な知識と技術が要求されます。さらに診療科を越えた協力や、相互に切磋琢磨を行うことも重要になります。今までの経験を生かして、この九州の地でより安全な臨床を実現するとともに、それを担う歯科医師の育成、さらに基礎と臨床を繋ぐ研究に務めたいと考えております。

横山武志

略歴(PDF)はこちら


歯科麻酔科医局について

大学は教育の場であり、学問を進める場でもあります。また、医療系学部の最終目的は臨床にあります。歯科医師は歯科医療をもって社会に貢献する存在なければなりません。そのため大学に所属する場合には、教育、研究、臨床に努める必要があります。
臨床系の教室単位は医局になりますが、医局が成立するためには、まず臨床のニーズがなければなりません。患者不在の医療はなく、当然ながら医局は存在しません。また、教授一人では医局は成立するものではありません。医局は経験ある指導者と個々の目標に応じてさらなるキャリアアップ、スキルアップを目指す専門家、すなわちプロフェッショナルの集団である必要があります。
歯科麻酔学は、麻酔科学の一分野であり、歯科麻酔学という学問のかなり広い領域が医科の麻酔と共通します。そのため臨床における麻酔管理については医科麻酔と対等に話し合うことのできる知識や技術が求められます。逆にそれが満たされないのであれば、海外の多くの国のように歯科医師は麻酔管理から撤退せざるを得ません。残念ながら麻酔•全身管理について歯科における教育は医科教育に質、量ともに劣るのが現状です。そのためにも個々の歯科麻酔科医が自覚を持って臨床や研究に厳しく研鑽を重ねる必要があります。その研鑽の場が歯科麻酔科医局になります。
今後は、九州大学病院歯科麻酔科医局が、麻酔科学という学問に基づいて歯科医療を提供して社会に貢献するという志を持つ歯科医師が集い、修練を重ねることのできる場であるように整備を進める所存です。

pagetop
Copyright (C) Kyushu University All Rights Reserved.