九州大学 歯学研究院 歯学部門 口腔顎顔面病態学講座

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診療

歯科麻酔科では、手術室での口腔外科手術に対する全身麻酔管理だけではなく、歯科麻酔科外来での全身麻酔や静脈内鎮静法なども行っています。そのままでは診療台に座ることさえ難しい患者様でも、歯科治療を受けて頂くことができます。
現在の院内スタッフは約10名と少数ですが、歯科麻酔指導医または専門医による指導のもと、患者様にとって快適で安全な麻酔・全身管理ということを常に念頭に置いて日々の診療に取り組んでいます。

歯科麻酔科外来

(外来処置室)

北棟5階の歯科外来の奥にあります。歯科麻酔科外来には全身麻酔器とモニターを備えた歯科処置室が2室と診療台を備えた診察室があり、主に以下の業務を行っています。

① 口腔外科手術や小児・障害のある方の歯科治療を安全かつスムーズに行うための全身麻酔
② 歯科恐怖症や嘔吐反射が強い方などの歯科治療あるいは抜歯などの小手術をリラックスした状態で受けていただくための静脈内鎮静法
③ 全身疾患をお持ちの方の歯科治療を安全に行うための各種モニターによる全身状態の観察
④ 局所麻酔薬に対するアレルギー検査

歯科麻酔科では、重度の心疾患症例に対して非侵襲および低侵襲心機能モニタリングを行える環境を整備しています。また、口腔外科、小児歯科、全身管理歯科、小児科と連携し、障害者や全身疾患を持つ患者さんの全身麻酔下歯科治療を安全に行えるように努めています。

(インプラントセンター)

新外来棟の4階にあります。インプラントに伴う外科処置(インプラント埋入やサイナスリフト、骨移植など)を施行する際に、以下の方を対象として、リラックスした状態で治療を受けていただくために静脈内鎮静法を行っています。

適応症例
・歯科治療が怖い方
・高血圧などの全身疾患がある方
・嘔吐反射が強く、処置が困難な方
・比較的処置が大きく、局所麻酔だけでは負担が大きい場合
必要に応じて、かかりつけの病院にお伺いをしたり、もしくは九州大学病院内で全身の精査を行った上で処置を行います。
注)インプラント治療に対する静脈内鎮静法等は自費診療となります。
  (術前の検査も自費診療となります。)

中央手術室

歯科麻酔科では、月曜日から金曜日までの週5日間、南棟3階の中央手術室で口腔外科、小児歯科の手術症例の麻酔管理を担当しています。朝の1例目の搬入時間は8:30です。
腫瘍切除術とその切除部位の再建術、唇顎口蓋裂などの形成手術、顎変形症に対する外科矯正手術、顔面外傷に対する修復術などや重症患者の歯科治療が主な症例になります。歯科麻酔科医は、術前の検討を十分に行った上で、安全第一で麻酔管理を行っています。

「全身麻酔」
全身麻酔

全身麻酔は、侵襲的な処置を行う間、麻酔薬によって意識を消失させ、鎮痛薬や局所麻酔によって痛みを除き、苦痛を感じることのない深い麻酔状態を維持します。全身に負担がかかるため術前の評価は必須になります。全身麻酔中は、循環や呼吸も抑制されるため、心電図や呼吸のモニタリング下に行います。 術前検査として、心電図検査、血液検査、胸部レントゲン写真検査、呼吸機能検査を行います。入院の場合には前日に歯科麻酔科の回診があります。日帰りの場合には1週間前に歯科麻酔科外来に受診して頂きます。このとき診察と全身麻酔に関する説明があります。
当日は、絶食などの指示を守って、歯科麻酔科外来に来て頂きます。手術着に着替えた後、治療台に移動します。全身麻酔中は心電図、血圧、酸素飽和度、体温などのモニタリングを行います。小児や障害者麻酔薬をマスクで吸入し、意識がない状態で点滴をします。全身麻酔中は呼吸ができないので、十分に麻酔が深い状態で、気管にチューブを挿管して人工呼吸を開始します。チューブから麻酔薬を投与して麻酔深度を維持します。水分補給は点滴から行い、血圧などの変動に対しては昇圧薬や降圧薬を投与して調節します。手術や処置が終了すると麻酔薬の投与を中止します。目が覚めて十分な呼吸ができている状態でチューブを抜去します。日帰りの場合には、術後2時間程経過を観察させて頂き、飲水が可能であることなどを確認してから帰宅して頂きます。日帰りの場合は付き添いの方が必要になります。

「静脈内鎮静法」
静脈内鎮静法

鎮静は、全身麻酔よりも少ない量の麻酔薬を用いて、自発呼吸ができる程度の浅い麻酔状態で行います。全身麻酔ほどではありませんが、麻酔薬による全身的な負担があるので、術前の評価は必須になります。
術前検査として、心電図検査、血液検査を受けて頂きます。患者様のリスクによっては胸部レントゲン写真検査、呼吸機能検査などを追加します。入院の場合には前日に歯科麻酔科の回診があります。日帰りの場合には1週間前に歯科麻酔科外来に受診して頂きます。このとき診察と静脈内鎮静に関する説明があります。
当日は、食事や飲水の指示を守って、歯科麻酔科外来に来て頂きます。そこで手術着に着替えた後、治療台に移動します。静脈内鎮静中は心電図、血圧、酸素飽和度、体温などのモニタリングを行います。最初に静脈に点滴をさせて頂き、ここから鎮静薬を投与してぼんやりとリラックスした状態で管理します。全身麻酔と異なり、呼吸は鼻から酸素を投与しますが、自分で呼吸をしている状態になります。手術や処置が終了すると点滴からの鎮静薬の投与を中止するとはっきりしてきます。日帰りの場合には、十分な覚醒を確認してから帰宅して頂きますが、付き添いの方が必要になります。

臨床試験

Mallampati分類の挿管困難性の予測に関する研究

はじめに

 気道管理における危機的な状況を回避し、嗄声などの合併症を防止するためには、気管挿管の難易度を予測し、挿管困難に対する準備や対策を行うことが重要です。従来から、気管挿管困難の評価にMallampati分類が用いられていますが、このMallampati分類の評価に反して、挿管が非常に困難である場合があります。近年、Mallampati分類は管挿管困難の評価に向かないと言った報告がされつつあります。
 そこで、気管挿管困難の評価を検討する目的で「Mallampati分類は気管挿管困難の良い指標である」とういう仮説をたてて、Mallampati分類とその他の評価方法で、気管挿管困難の予測に違いがあるかどうかを調べることにしました。本研究は安全な麻酔管理に大きく生かされると考えられます。

対象

人 数:350名
年 齢:16歳以上の男女
対 象:九州大学歯科麻酔科で全身麻酔を受けた患者の麻酔記録と診察記録(別紙1)に記載された事項を研究の対象とします。なお、本研究の対象者となることを希望されないかたは、下記の連絡先までご連絡ください。
対象期間:平成24年3月1日から平成27年6月30日までを対象期間とします。

研究内容

 九州大学歯科麻酔科が管理した症例のうち、挿管技術を習得したと考えられる麻酔経験1 年以上の歯科麻酔科医が気管挿管を行った症例の麻酔記録と別紙1に記入された項目について調査します。別紙1の項目とは次に示すものです。
・性 別
・年 齢
・身 長
・体 重
・ID
・手術日
・頚部可動域制限
・最大開口距離
・座位で評価するMallampati 分類
・仰頤位で評価する Mallampati の分類
・オトガイ-甲状切痕距離(Thyromental distance:TMD)
・甲状軟骨-胸骨上窩
・軟口蓋の長さ(PNS-P)の評価
・扁桃肥大
・いびきの有無
・コーマックグレード

麻酔記録に記載された事項は下記に示すものである。
・ID
・手術日
・年齢
・身長
・体重
・性別
・コ―マックグレード
 上述した項目が、喉頭展開時に評価するコーマックグレード分類に相関するかを統計学的に分析します。なお、別紙1のIDと手術日は症例の麻酔記録との照合にのみ使用します。

個人情報の管理について

 個人情報を含むファイルは、パスワードにより第3者がファイルを開くことができないように設定します。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

研究期間

 研究期間は承認日より平成31年3月31日までとします。

研究機関および組織

九州大学大学院歯学研究院
研究責任者  :歯科麻酔学分野 教授     横山武志
研究実施担当者:歯科麻酔学分野 共同研究員  藤原茂樹
        歯科麻酔学分野 助教     大内謙太郎
                       塚本真規
        歯科麻酔学分野 医員     芝 りか
                       門脇正知
        歯科麻酔学分野 大学院    谷本 千恵

研究実施担当者:歯科麻酔学分野共同研究員・藤原茂樹
歯科麻酔学分野助教・大内謙太郎
問合せ先:大内謙太郎および藤原茂樹
電話:092-642-6480  歯科麻酔学医局
E-mail: (藤原)

データの二次利用について

 本研究において得られたデータ等は、九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野・教授・横山武志の責任の下、研究期間終了後10年間保存した後、登録番号等を消去・細断し、産業廃棄物として廃棄します。資料、データ等を将来別の研究に二次利用する予定はありません。

医療ビックデータを用いた心電図に与える麻酔中の因子の検討と、
心電図異常パターンを検出する人工知能的アプローチの開発

1.臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院歯科麻酔科では、現在、麻酔管理を施した患者さんを対象として、心電図に関する「臨床研究」を行っています。

 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成34年12月31日までです。

2.研究の目的や意義について

 ビックデータに内在する本質的構造を見極め、数理的思考に基いて解析・問題解決を行う能力を活用して、有用なシステム構築や新たな知見に繋げる、データサイエンス研究教育の構築が文部科学省の主導で進められています。本年、文部科学省が選定した数理及びデータサイエンスに係る教育強化拠点大学選定校6大学に、東京大学、京都大学、大阪大学などにならび、九州大学も選定されました。九州大学では数理データサイエンスセンターを設置して、データサイエンスの研究教育を開始したところです。本研究は、本学数理データサイエンスセンターの支援を受け、日々蓄積されている医療ビックデータに内在する本質的構造を見極め、数理的思考に基いて解析・問題解決する=データサイエンスの研究です。
 本研究では、当院に蓄積されている医療ビックデータ、すなわち手術中の心電図情報と診療情報を用います。手術中心電図の時系列データから異常パターンを検出するシステムを開発していきます。また、ビックデータの網羅的探索(AI探索)から心電図の変化をきたす因子とその関連度を、統計学的手法を駆使することで明らかにします。

3.研究の対象者について

九州大学病院歯科麻酔科において、平成25年1月1日から平成30年3月31日までに麻酔管理を受けた、約4000名を対象にします。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、病院中央部門サーバーに蓄積された診療データより以下の情報を取得します。心電図とその他取得した情報の関係性を分析し、麻酔薬の投与や生体の反応の心電図に対する影響を明らかにします。この解析には、医学研究機関における技術では不十分なため、データ解析の専門でもある本学内の理学研究院との共同で行います。主に、歯学研究院・病院の研究者は医学的な知見を、理学研究院の研究者はデータ解析の知見をもとに研究を協働します。

 〔取得する情報〕
心電図、年齢、性別、身長、体重の他、麻酔記録の情報(薬物の投与量、バイタルサイン)

5.個人情報の取扱いについて

 

 研究対象者の麻酔記録情報をこの研究に使用する際には、研究対象者が特定できる情報を完全に削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野教授横山武志の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

〔情報について〕
 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野において同分野教授・横山武志の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

8.研究の実施体制について

 この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
(分野名等)
九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野
九州大学病院歯科麻酔科
九州大学大学院理学研究院生物科学部門数理生物学研究室
研究責任者 九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野
助教 大内 謙太郎
研究分担者 九州大学大学院理学研究院生物科学部門数理生物学研究室
准教授 岩見 真吾

9.相談窓口について

 この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野
   (九州大学病院歯科麻酔科) 大内 謙太郎
連絡先:〔TEL〕092-641-1151(内線6480)
     〔FAX〕092-642-6481
メールアドレス:
全身麻酔中の体内水分に関する検討

はじめに

 私たちの体にはたくさんの水分が含まれていて、成人男性で体重の60%、新生児で約80%が[体液]と呼ばれる水分でできています。麻酔を始める時にこの体液が少ないことで様々な不都合が起きますが、その1つが麻酔を始めた直後の異常低血圧です。この要因は、術前の絶飲食、年齢、既往歴など色々考えられています。特に意思疎通が困難で全介助を要する患者さんでは日頃から食事や飲水が限られているため、麻酔を行っているときには異常血圧低下を経験することがあります。
 本研究では①患者さんの背景による体内水分量(総水分量、細胞内・外液、組織液、血漿)の変化、②麻酔中の合併症の有無。③その時の対処方法④麻酔中の心臓機能の変化⑤術後の予後を調査します。その結果、今後の麻酔管理時に必要な適正輸液量や合併症が減らすことができると考えます。

対象:予定症例数:2000例

(1)適格条件

 平成24年4月1日から平成26年11月30日までに九州大学病院顎顔面口腔外科、小児歯科で全身麻酔を行った患者さんの下記の臨床情報。

①臨床所見:年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴
②最終飲水時間
③血液所見:赤血球、白血球、血小板、Hb、Hct、Alb、BUN、Cr
④検査所見:胸部エックス線写真、心電図
⑤麻酔記録(使用薬剤、輸液量、出血量、尿量)、体内水分量記録(総体内水分量、細胞外・内液量)
⑥体内水分量記録:総体内水分量、細胞外・内液量、組織液量、血漿量
⑦エスクロンミニ®記録:SV(stroke volume),SVV(stroke volume variation),CO(cardiac output),
 CI(cardiac index),HR(heart rate)
⑧術後合併症

(2)除外条件

 手術中止となった症例

研究内容

 本研究では術前の絶飲食、麻酔開始時間、患者さんの背景が麻酔中の体内水分量に与える影響を検討します。また、術中、術後の合併症や心臓、肺などに与える影響の因果関係を探索します。

〈タイムスケジュール〉
以下のように進めていきます。
タイムスケジュール
データ解析を行う場合に以下の情報を取得します。
患者情報取得

①臨床所見:年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴
②最終飲水時間
③血液所見:赤血球、白血球、血小板、Hb、Hct、Alb、BUN、Cr
④検査所見:胸部エックス線写真、心電図
⑤麻酔記録(使用薬剤、輸液量、出血量、尿量)、体内水分量記録(総体内水分量、細胞外・内液量)
⑥体内水分量記録:総体内水分量、細胞外・内液量、組織液量、血漿量
⑦エスクロンミニ®記録:SV(stroke volume),SVV(stroke volume variation),CO(cardiac output),
 CI(cardiac index),HR(heart rate)
⑧術後合併症

体内水分量の変化を見るために上記の患者さんの情報を得てデータを解析して、背景、絶飲食時間、麻酔開始時間、麻酔中の合併症発生の有無、対処方法、術後合併症について比較検討します。

 この研究を行うことで患者さんに負担が生じることはありません。

個人情報の管理について

 氏名や診断名の個人情報が記録されていますが、個人情報の取り扱いには十分注意し、情報の紛失や被験者個人が特定されることを防ぐため、以下に記載している措置を徹底します。
 採取した診療情報は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野において、患者氏名、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号を消去し、代替する登録番号にて連結不可能匿名化します。したがって、第三者が同分野の職員やデータベースへの不正アクセスを介さずに、直接被験者を識別できる情報を閲覧することはできません。
 個人情報管理責任者は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志です。

研究期間

 承認日から平成30年1月1日までです。

二次利用について

 本研究において得られたデータ等は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野において、同分野教授 横山武志の責任の下、研究期間終了後5年間保存した後に登録番号等を消去し廃棄します。
 上記のデータ等のうち、二次利用する試料、データ等は倫理審査委員会で承認された後に利用します。また、その際はホームページ上で公開します。

医学上の貢献

 本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は褥瘡が発生することが抑えられ、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

研究機関

研究責任者:九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座・歯科麻酔学分野・教授 横山武志
研究分担者:九州大学病院歯科麻酔科・助教・塚本真規
研究分担者:九州大学病院顎口腔外科・助教・見立英史
研究分担者:九州大学病院顔面口腔外科・助教・星野亜紀
研究分担者:九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座・小児口腔医学分野・講座・山座治義

問合せ先:
担当者:塚本真規
電話:092-642-6480 歯科麻酔科医局
E-mail:

頭頸部手術後に発生した鼻翼部の褥瘡に関する検討

はじめに

 褥瘡とは手術をした後に血行が不良となり、その周辺で血液の流れが途絶えている状態であり、床ずれ(とこずれ)とも呼ばれています。手術後の褥瘡発生の要因には、患者の年齢、ADL(日常生活でどのくらい運動しているか)、栄養状態、手術中の長時間に渡る圧迫など様々な要因が考えられています。これまで、褥瘡発生患者における原因を調査した報告では、心臓手術や腹臥位手術によるものがあります。しかし、頭頸部手術では主に、挿管チューブによる褥瘡が報告されていますが、発生要因は検討されていません。
 本研究では(1)頭頸部手術後の褥瘡発生部位の同定、(2)褥瘡の要因検討 (3)治療方法・予後を調査します。また、褥瘡発生の危険因子を明らかにして積極的に予防をしていきます。

対象

(1)適格条件

 平成24年4月1日から平成26年9月30日までに九州大学病院顎口腔外科、顔面口腔外科、小児歯科の患者さんで全身麻酔を行った約1500名を対象に致します。対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。

 電話:092-642-6480  歯科麻酔科医局

(2)除外条件

 静脈内鎮静法、モニタリングで麻酔管理を行った症例です。

研究内容

 本研究では手術の後に褥瘡が発生した患者さんと発生していない患者さんと比較し、どこで発生したか、また、その患者さんの診療録から褥瘡の要因検討、どんな治療を行ったか、予後を調査します(下図)。そして、褥瘡発生の危険因子を明らかにして積極的に予防をしていきます。

タイムスケジュール

 患者さんから頂く情報は次の項目です。

①臨床所見(年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴)
②血液所見(赤血球、白血球、血小板、Hb、Hct、Alb、BUN、Cr)
③検査所見(胸部エックス線写真、心電図)
④麻酔記録(麻酔時間、手術時間、使用薬剤、輸液量、出血量、尿量)、
 体内水分量記録(総体内水分量、細胞外・内液量)
⑤治療(期間・使用薬剤)
⑥治療反応性・予後

 以上の情報から頭頸部手術後に褥瘡が発生した患者さんと発生していない患者さんについて比較検討します。

個人情報の管理について

 氏名や診断名の個人情報が記録されていますが、個人情報の取り扱いには十分注意し、情報の紛失や被験者個人が特定されることを防ぐため、以下に記載している措置を徹底します。
 採取した診療情報は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野において、患者氏名、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号を消去し、代替する登録番号にて連結不可能匿名化します。したがって、第三者が同分野の職員やデータベースへの不正アクセスを介さずに、直接被験者を識別できる情報を閲覧することはできません。
 個人情報管理責任者は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志です。

研究期間

 承認日から平成30年1月1日までです。

二次利用について

 本研究において採取し得られたデータ等は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野において、同分野教授 横山武志の責任の下、研究期間終了後5年間保存した後、登録番号等を消去し廃棄します。
 二次利用するデータ等は将来新たに計画して倫理審査委員会で承認された後に利用します。

医学上の貢献

 本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は褥瘡が発生することが抑えられ、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

研究機関

研究責任者:九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座・歯科麻酔学分野・教授・横山武志
研究分担者:九州大学病院歯科麻酔科・助教・塚本真規
研究分担者:九州大学病院顎口腔外科・助教・見立英史
研究分担者:九州大学病院顔面口腔外科・助教・星野亜紀
研究分担者:九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座・小児口腔医学分野・講師・山座治義

問合せ先:
担当者:塚本真規
電話:092-642-6480 歯科麻酔科医局
E-mail:

全身麻酔からの覚醒時間の検討

臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院歯科麻酔科では全身麻酔を行う患者さんを対象として、麻酔薬による覚醒時間の違いに関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成29年3月31日までです。

研究の目的や意義について

 今回、全身麻酔を行う患者さんにおいて手術終了後の麻酔薬投与中止から抜管するまでの時間が年齢、使用薬剤によりどのように変化するか検討を行います。
 当科で全身麻酔を行う症例では体の中に酸素や麻酔薬を送るために口の中から気管に向かって管を入れて管理を行っています。手術が終わると、麻酔薬投与を中止して目を覚ます作業に入ります。麻酔薬投与中止から体動や開眼するまでは体やベッドに触らずに、あえて呼びかけたりする積極的な覚醒を行っていません。麻酔薬が体から抜けて自然に目が覚めるまで待ってから管を抜いています。これにより体内の吸入麻酔薬や静脈麻酔薬は体外へ排出されているため、抜管時の興奮、事故抜管、低酸素血症などの低下などの合併症が起こる危険性が減ると考えています。
 年齢や使用した麻酔薬により覚醒時間が異なることは経験していますが、検討を行ったことはありません。
 そこで、今回は、カルテから後ろ向きに麻酔覚醒時に影響する因子の検討を行います。

研究の対象者について

2008年1月1日から2016年9月10日までに九州大学病院口腔外科、小児歯科で手術を行うために全身麻酔を行った患者さん300名の臨床情報を集めます。

研究の方法について

該当する患者を被験者として下記の臨床情報を診療録より取得します。

  1. 臨床所見(年齢、性別、身長、体重、内服薬)
  2. 麻酔記録(麻酔時間、体動・覚醒・提供する情報等が本研究終了後も保存され、将来新たに計画・実施される医学研究に、倫理審査委員会の新たな承認の後、使用されることに同意します。抜管時間、手術時間、輸液量、出血量、尿量、使用薬剤)
  3. 術後合併症 (循環器・呼吸系)

〈タイムスケジュール〉

タイムスケジュール

上記より得られたデータを用いて麻酔覚醒時に影響する因子を検討します。

個人情報の取扱いについて

 対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、個人情報を完全に削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志の責任の下、厳重な管理を行います。

情報の保管等について

〔情報について〕

 この研究において得られたカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志の責任の下、10年間保存した後、廃棄します。
 また、この研究で得られたあなたの情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
(分野名等)
九州大学病院歯科麻酔科
研究責任者九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
研究分担者九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野:大学院生・山中仁
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座・小児口腔医学分野・講座・山座治義
九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔顔面外科学分野・講師・中野旬之

相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
連絡先:〔TEL〕092-642-6480(内線3205)
    〔FAX〕092-642-6481
メールアドレス:
経鼻挿管を行った小児の適切なチューブサイズの検討

臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院歯科麻酔科では全身麻酔を行う小児の患者さんを対象として、適切なチューブサイズの検討に関する「臨床研究」を行っています。
 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成30年8月31日までです。

研究の目的や意義について

 全身麻酔中の酸素や麻酔薬の通り道である、気管チューブの固定は浅すぎると術後に声が出にくくなる嗄声の原因となり、深すぎると術後に呼吸器合併症となる片肺挿管となります。そのため、成人では経鼻の気管チューブを固定する際には男性では27-28cmを目安に固定することが推奨されています。実際には症例により体格などを考慮する必要があります。現在の所、気管チューブが適正な場所で固定されているかの確認は、胸郭の視診により通常行っています。しかし、気管チューブはマーフィー孔などの先端形状の工夫により気管支挿管になっていても気づかないことがあります。
 小児では一般的な手術は経口挿管を行うため気管チューブ固定についての論文は多く報告されています。しかし、頭頸部手術で多く用いられる経鼻挿管の固定についての論文はないため日常の臨床では経験に基づいて固定を行っています。
 当科で管理する歯科・頭頸部手術では術者の操作性を考慮して頭低位や頭高位で行う症例が多いため、手術中はチューブが深くなり気管支挿管や浅くなりチューブが適正位置からずれることも予想されます。
 そこで、今回は小児の経鼻挿管を行った症例で後ろ向きにチューブサイズに影響する因子の検討を行います。

研究の対象者について

2008年1月1日から2017年5月1日までに九州大学病院口腔外科、小児歯科で手術を行うために全身麻酔を行った患者さん1000名の臨床情報を集めます。

研究の方法について

該当する患者を被験者として下記の臨床情報を診療録より取得します。

  1. 臨床所見(年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴)
  2. 麻酔記録(麻酔時間、手術時間、チューブサイズ、挿管試行回数)
  3. 術後呼吸器合併症(低酸素血症、無気肺、)の有無

〈タイムスケジュール〉

タイムスケジュール

上記より得られたデータを用いて麻酔覚醒時に影響する因子を検討します。

個人情報の取扱いについて

 対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、個人情報を完全に削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志の責任の下、厳重な管理を行います。

情報の保管等について

〔情報について〕

 この研究において得られたカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野・教授・横山武志の責任の下、10年間保存した後、廃棄します。
 また、この研究で得られた対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
 また、ご本人からの開示の求めに応じて、保有する個人情報のうちその本人に関するものについて開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
(分野名等)
九州大学病院歯科麻酔科
研究責任者九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
研究分担者九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野:大学院生・山中仁
九州大学大学院歯学研究院口腔保健推進学講座・小児口腔医学分野・講座・山座治義
九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔顔面外科学分野・講師・中野旬之

相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
連絡先:〔TEL〕092-642-6480(内線3205)
    〔FAX〕092-642-6481
メールアドレス:
スガマデクスが年齢・麻酔薬・覚醒時間に与える影響の検討

1.臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院歯科麻酔科では、全身麻酔を行う患者さんを対象として、筋弛緩薬拮抗薬が年齢、麻酔薬、覚醒時間に与える影響に関する「臨床研究」を行っています。

今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和4年9月18日までです。

2.研究の目的や意義について

 病気のため手術を受ける方は全身麻酔を必要する方がたくさんいます。麻酔終了後は筋肉が回復するために筋弛緩薬拮抗薬(スガマデクス)を使用する事が多いです。これを使用するか否かは麻酔科医の裁量によることが多いのが現状です。筋弛緩モニターにより筋力回復程度を確認してから、スガマデクスを投与することが望ましいですが、日本では機器の所有などにより3割程度でしか使用されていません。投与については麻酔科医の経験などから投与については判断されています。われわれは日々の麻酔業務で、麻酔時間や年齢によってスガマデクス投与により覚醒時間や退出までの時間に違いがあることを経験しています。
 そこで、この研究では年齢、麻酔薬、麻酔時間とスガマデクス投与の有無などからスガマデクスが麻酔時間に影響を与えているのかを過去にさかのぼって記録を見なおして検討します。これにより、スガマデクス投与が筋弛緩からの回復の他に、早い時間で回復して退出できることを発見できれば手術室運営の効率化にもつながると考えています。

3.研究の対象者について

 2012年4月1日から承認日までに九州大学病院歯科麻酔科で全身麻酔中に、呼吸管理のために空気の通り道となる挿管チューブで麻酔管理を行った症例の中で、5000人を対象として臨床情報を集めます。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。
〔取得する情報〕
① 臨床所見(年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴)
② 麻酔記録(麻酔導入時の使用薬剤、気管経路、挿管器具、挿管方法、手術名、体温、麻酔時間、手術時間、覚醒時間、覚醒時の麻酔薬濃度、退出時間、)
③以上の記録から年齢、麻酔薬、麻酔時間と筋弛緩拮抗薬(スガマデクス)投与の有無などからスガマデクスが覚醒時間や、手術室滞在時間に影響を与えているのかを検討します。

5.個人情報の取扱いについて 

 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、容易に研究対象者が特定できる情報を削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。患者さんからの求めに応じて、手術日やカルテ情報から患者情報を識別して、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野・教授・横山 武志の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

 この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野において同分野教授・横山 武志の責任の下、10年間保存した後、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について 

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について 

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
(分野名等)
九州大学病院歯科麻酔科
九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野
研究責任者 九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
研究分担者
(分野名等)
九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野 大学院生 田浦 志央吏
九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔顎顔面外科学分野 助教 杉山 悟郎
九州大学病院小児歯科スペシャルニーズ歯科 助教 高山 扶美子

10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
連絡先:〔TEL〕092-642-6480(内線3205)
    〔FAX〕092-642-6481
メールアドレス:
歯科・口腔外科の手術後の緊急気道確保症例の検討

1.臨床研究について

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院歯科麻酔科では、全身麻酔を行う患者さんを対象として、現在歯科・口腔外科の手術後の緊急気道確保の方法に関する「臨床研究」を行っています。

 今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和4年9月18日までです。

2.研究の目的や意義について

 歯科・口腔外科領域の治療後に出血や感染によって気道が閉塞してしまった患者さんは、呼吸が困難になり、生死にかかわる危険性があるため、緊急に気道を確保する必要があります。特に、歯科・口腔外科手術後に口腔内の出血や感染による腫れがみられる場合、手術部位と気道が同じになるため、視野が十分に得られず、マスクでの換気や、人工呼吸を行うためにのどに管を通す気管挿管と呼ばれる行為が困難になる可能性があります。近年、安全に気管挿管を行うために、さまざまな器具が利用されており、緊急時にはその挿管器具の選択が、確実な気道確保のために重要になると考えます。本研究では、過去の経験から緊急時の薬剤や気道確保の方法の検討を行い、今後の頭頚部領域の緊急気道確保時のプロトコールの基礎となることが期待されます。

3.研究の対象者について

 2012年4月1日から2019年10月31日までに九州大学病院歯科麻酔科で麻酔管理を行った症例の中で、緊急手術が必要となり全身麻酔で気道確保を行った患者さん5000人を対象とし、臨床情報を集めます。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

 この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。
〔取得する情報〕
①臨床所見(年齢、性別、身長、体重、現病歴、既往歴)
②麻酔記録
(麻酔導入時の使用薬剤、挿管方法、挿管器具、麻酔方法、気管挿管経路、手術名、病名)

5.個人情報の取扱いについて 

 研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、容易に研究対象者が特定できる情報を削除して取り扱います。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した情報は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野・教授・横山 武志の責任の下、厳重な管理を行います。

6.試料や情報の保管等について

この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野において同分野教授・横山 武志の責任の下、10年間保存した後、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について 

 九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
 一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
 本研究に関する必要な経費は部局運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません
 利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
 利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について 

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所
(分野名等)
九州大学病院歯科麻酔科
九州大学大学院歯学研究院歯科麻酔学分野
研究責任者 九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
研究分担者 九州大学大学院歯学府口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野 大学院生 田浦 志央吏
九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座口腔顎顔面外科学分野 助教 杉山 悟郎
九州大学病院小児歯科スペシャルニーズ歯科 助教 高山 扶美子

10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。

事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院歯科麻酔科 助教 塚本 真規
連絡先:〔TEL〕092-642-6480(内線3205)
    〔FAX〕092-642-6481
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